目が覚めて

今朝目が覚めてぼんやり頭に浮かんだのは,ミクロ状態数であった。これは相空間における軌道に囲まれた部分の“体積”に比例するから,まさしく断熱不変量ではないか!すると確かに断熱準静操作ではエントロピー変化しない。これで熱力学と統計力学エントロピーとでつじつまが合う。

そんなことを考えてから久保亮五先生の熱学・統計力学の演習書を開いてみたら,そのことがちゃんと載っていた。しかもそれは一度自分が目を通した部分だった。以前読んだ時は断熱不変量という言葉にビビって見逃していたのだ。しかもそこには,エルゴード性を仮定すればミクロ状態数が断熱不変量であることが示せると書いてある。さらに自分をがっかりさせたのは自分がずっと気になっていて,最近自分なりに納得できた問題の類題がその演習書に乗っていたことだ。時間がなかったのでゆっくり読んだり考えたりできずに大学へ行く。

そして帰宅してこれを書いている。まだやることがあって,断熱不変量の話は頭の中では朝から止まったままだ。出来れば寝るまでにはもう少し先へ進みたい。