位相のこころ・ランダウ=リフシッツ小教程

今日は駒場で仲間と「超限解析」ゼミ。先週と今週はその準備で,先週の数学基礎論(公理的集合論)を,今日は位相空間論を扱った。
「扱った」とは言ったものの,自分は聞くだけ,というのも恥ずかしい。聞いてさっぱりだからだ。板書を写し,ときたま「あ、うん、そうかな」とうなづくので精一杯。しかも今日は寝坊して1時間遅刻したり,途中用事で退席したりしたためほとんどわからなかった。

帰りの電車の中でふと森毅の「位相のこころ」を開いてみた。今まで何度か挑戦しては大して面白がることもなかった本だが,その時初めて書いてあることがわかる気がした。

定義と命題とその証明の嵐だったゼミに耐えてから森さんの書く「意味・精神」を前面に出した本を読むと,耳に残るキーワードや頭の中に漠然と存在する数学の概念が,森さんの語る調べの中ではっきりとしたイメージを形成するようになる。また,代数や解析といった他分野との絡みも示しているから,それらとのつながりを自分が意識することで僕の気持は高揚するのだ。

電車を降りてからも「位相のこころ」の続きを早く読みたいと思うあまり,マクドナルドへ入り,コーヒーを飲みながら1時間ほど本に没頭した。


しばらく日が空いたのでほかのトピックスも挙げておく。

ランダウ=リフシッツの理論物理学教程は初学者には難し過ぎる。著者たちも物理を専門としない学生向きでない内容を含んでいると考え,「小教程」なるものが生まれた。その「小教程」がこの度文庫本として出版された。

力学・場の理論―ランダウ=リフシッツ物理学小教程 (ちくま学芸文庫)

力学・場の理論―ランダウ=リフシッツ物理学小教程 (ちくま学芸文庫)

この力学と電磁気学の2部構成なのだが,「大教程(もともと出版されていたシリーズを小教程に対してこう呼ぶ)」の「力学」の内容はほぼそのままで,後は「場の古典論」の一般相対論を除いた内容となっているようだった。

2日前にこれを見つけて即購入。日付が変わっても読み続けた。特殊相対論や電磁場中での電荷運動方程式最小作用の原理から導くのは見事で明快な論理構成に感動した。一年前は「力学」でいきなり最小作用の原理から質点の運動方程式を導いているのが何とも理解しがたかったが,今となっては正反対である。


今週は先週に比べると夜更かし率が高い。体調を崩しかけ,のども痛めたが,今はなんとか元に戻りつつある。